ミリタリーファッションをリードするアメリカンミリタリーの歴史
ミリタリーファッションをリードするアメリカンミリタリーの歴史
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世界で最大の軍隊であるアメリカ軍。
そのアメリカ軍が研究開発を重ねて作っているのがアメリカ軍服です。
軍服本来の機能性や耐久性にとても優れていて、しかもファッションアイテムとしての魅力も持っています。
アメリカ軍はどのようにして、このようなミリタリーファッションを成長させてきたのでしょうか?この記事ではアメリカ軍の陸海空別のミリタリーファッションの歴史について解説します。
海兵隊のドレスブルーは美しいフォーマルウェアー
アメリカ海兵隊は敵艦に乗り移って戦うために作られた軍隊で非常に勇猛果敢な戦力を誇ります。
一方で大統領の親衛隊という役目も担っているため、「ドレスブルー」と呼ばれる非常に美しいフォーマルウエアーが存在します。
タイトなシルエットの黒のジャケット、腰には真っ白なベルトを締め、襟は詰め襟で赤いラインが入っています。
ジャケットの前合わせは海兵隊のロゴが刻印された金ボタンで、パンツは下士官はブルーに赤いライン、士官は黒に赤いラインが入ります。
海兵隊員はフォーマルな儀式にはドレスブルーを着用して任務につき、公式なパーティーにもドレスブルーを着用します。
アメリカ海軍のユニフォームは黒と白が印象的
アメリカ海軍の起源は南北戦争にまでさかのぼりますが現在は原子力空母や原子力潜水艦、イージス艦などを所有する世界でも有数の軍隊で、ユニフォームは礼服、勤務服、作業服、戦闘服などがあります。
海軍では「サービスドレスブルー」が有名です。
下士官や士官が着るもので襟はセーラータイプ、袖は絞ったタイプで襟と袖には白線が入り、ジャケットパンツとも黒でインナーは白です。
このほかにも夏用にはドレスホワイトもあり、いずれもジャケットとパンツは同色です。
サマーホワイトはシャツ、パンツ、ベルト、革靴まですべて白で統一された勤務服です。
士官以上になるとカーキドレスといわれる、テーラードスタイル、金ボタンのジャケットとパンツにネクタイというスタイルもあります。
アメリカ軍のフライトジャケットは超有名
ミリタリーファッション以外でも男性カジュアルファッションで愛されているのがフライトジャケットです。
航空機が進化して飛行高度があがったためにパイロットを寒さから守るために開発されたもので、アメリカ空軍では1950年代初頭にナイロン製のMA-1を開発しました。
襟、袖、裾は外気を入れないようにリブニットになっています。
外側の色は濃い緑ですが内側は目立つオレンジ色になっていて、これは遭難した場合には目立つように裏返して救助を待てるように考案された色です。
このフライトジャケットは1980年代~19990年代には日本でも大流行したモデルですが、このモデルはその後も改良を重ねられて約30年間も愛用されました。
またコートタイプのN-3Bはアラスカジャケットとも呼ばれる極寒地用のフライトジャケットで、完璧な防寒機能を持つ優れものです。
科学的に検証されたカモフラージュ効果が現代の迷彩服
アメリカ陸軍の軍服はフィールドジャケットと迷彩服があり、そのどちらも実戦用のユニフォームです。
1941年に採用された有名なM-41フィールドジャケットの前合わせはジッパーとボタンの両方が装備されていて色は濃いカーキになっていて、非常にファンが多く、いまだにたくさんのレプリカが生産されています。
ベトナム戦争で開発された「ジャングルファティーグジャケット」はトロピカルコートといわれる熱帯雨林用の戦闘服で、このモデルもファンが多くミリタリーファッションの定番品になっています。
この時期は迷彩服もたくさん採用されています。
1980年代に最もよく知られるグリーンのBDU(Battle Dress Uniform)が採用されます。
このあと砂漠用のDCU (Desert Camouflage Uniform)など多くの迷彩服が考案されています。
2005年に全地域型のACU、2010年からOCPを採用しています。
また東北大震災のトモダチ作戦に着用されて海軍のブルーの迷彩服は現在廃止されています。
迷彩服は最も最前線で戦う兵士たちのユニフォームとして様々な歴史を重ねています。
ミリタリーファッションの歴史で世界の歴史がわかる
ミリタリーファッションの魅力は機能性の高さと丈夫さにあります。
また、動きやすいシルエットが実はとても美しいということにも驚かされます。
ミリタリーファッションの歴史をたどると世界史をたどることにもなります。
歴史をたどることでますますミリタリーファッションへの興味が掻き立てられて、ファンになる人も増えるのではないでしょうか?